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英語シリーズ まとめ

楽天社内英語公用語から見る英語との向き合い方

2017/07/12 更新

2016年11月楽天はFCバルセロナとスポンサー契約を結び、先々月新ユニフォームのお披露目を行いました。
そして、楽天の記者会見のためメッシは現在来日中!

あの名門サッカークラブチームのユニフォームに日本の企業のロゴが掲載されるなんて考えられません!

世界的に知名度の高いFCバルセロナのメインスポンサーになることで、楽天グループのブランド力は強化される事は間違いないでしょう。

そんな楽天ですが、グローバル企業として日本の最先端を走ってきた企業でもあります。
事業の海外展開に向けて英語の需要が高まってきた事から、社内英語公用語を2010年に掲げ、日本を驚かせたことはまだ記憶に新しいものです。

将来を見据えた意識改革を行ってきた楽天ですが、なぜこのような手段に出たのでしょうか?
日本を牽引し活躍し続ける三木谷社長のスピーチと、楽天社内公用語から学ぶ英会話との向き合い方を考えていきたいと思います。

楽天とは

楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天オークションなどインターネットサービスを展開する日本の企業です。
1997年、従業員6人で地方の小さな商店でも、コンピューターに強くなくても、誰でも簡単に店を開けるようにしたいというコンセプトから、インターネット・ショッピングサイト『楽天市場』をオープン。
その後、株式の公開・新規球団『東北楽天ゴールデンイーグルス』発足・金融事業の強化・海外展開と、躍進を続けてきました。
そして2010年社内公用語の英語化を定め、世界で一体感のある経営体制の設立を目指し始めました。

三木谷社長の思惑

そんな楽天ですが、楽天社長の三木谷氏はなぜ社内英語公用語を定めたのでしょうか?
公用語英語化宣言から約2年後の2012年6月、完全英語化移行に向け日本外国特派員協会で次のようにスピーチしています。

*2013年1月発行のENGLISH JOURNALより一部抜粋

What we want is, one; the guts and the courage to be able to try to express what they’re thinking in English and, the, to be able to communicate somehow what they want to say.

私たちがしたかったことは、まず第一に、勇気とガッツを持って自分が考えていることを英語で表現できるようになることです。
そして、自分たちが言いたいことをなんとかして伝えられるようになることです。

We started to realize this is not just about language.
It’s more deeply related to the culture and the dignity of human beings and we’ve seen that so many employees are struggling and they’re stressed, and so forth and so forth.

私たちはこれは単なる語学の問題ではないことに気がつき始めました。
これは文化や人間の尊厳にもっと深く関連したものであると。
そして我が社ではとても多くの社員が苦労し、ストレスにさいなまれるのを、目の当たりにしました。

And then, we decided to, “Ok, we need to do something. 
We need to help them. “So, after that we started to provide free English classes.
We gave our employees time and we made it clear this is the part of their official assignment.
This is not something you do after work.
You can study English if you want, because I think this is really the most critical project for our global success.

ですから私たちは、『よし、何か手を打つ必要がある。何とかして社員を助けなければ。』と決断しました。
その後、無料で英語の授業を提供し始めました。
社員たちに時間を与え、この課題は会社の業務であることをはっきりさせました。
終業後にやる趣味ではない、ということをです。
望めば英語を学べるのです。
それは、これが我が社の世界的な成功に向けて、最も重要となるプロジェクトだからです。

このように三木谷社長は、
『ネイティブスピーカーのような完璧な英語力』を社員に求めているのではなく、

『社員店員が、恐れずに英語で自分を表現すること』を学んで欲しいと思い社内公用英語化を進めました。

賞賛すべき楽天の取り組み

従来日本語で業務を行ってきた社員の方にとって、英語での作業は大変なものでしょう。
TOEICの目標点数が定められ、点数に達せず辞めた方・減俸となった方もおりインターネット上批判的な意見も多く見られます。

しかし、私は三木谷社長の行った無理やりにでも英語を話させる環境作り改革は素晴らしいものだと思います。

学校に留学しに生徒さんからも、日本で外国人の方と接する機会があったものの、思ったことを喋る事が出来なかった。
自分は英語を喋べれないと思って、接客することを諦めてしまった。
というような声が上がっており、日本では学校教育で6年以上英語を学んできているにも関わらず、話す機会がなかったため咄嗟の対応ができずもがき苦しむ人。
間違えることを恐れてその殻を破れない人が非常に多いです。

これまで学んできた知識としてある英語を話す訓練をしなければ、話せるようにはなりません。
ですが、そのような機会の場が日本には少ないのが現状です。
楽天のように社内公用英語化に取り組む事は、社員は業務としてやらざるを得ない・英語を話さざるを得ないという事です。

社内公用英語化 → 英語を話さざるを得ない → 業務に支障を来たす
→ もっと勉強せざるを得ない → 勉強 → 英会話の習得

このように楽天の生み出した『やらざるを得ないサイクル』は英会話習得への近道です。

なぜ英語を勉強しなければいけないのか、なぜ英語を勉強せざるを得ないのかを明確にした人は、目標のない人に比べ成長速度が格段に違います。
何となく英語が話せるようになりたいでは、成長が望めません。

学校で多くの生徒さんを見てきましたが、仕事で英語が必要になり、この日までに英語を話さざるを得なくなった方は、近くを通るたびにいつも勉強しています。
先生から教えてもらったことを吸収しようとする努力を感じられます。

しかし、逆に何となく英語を話せたらいいな〜といった目標が曖昧な方は、授業を受けて満足し、その後の自習時間もだらけ前には進みません。
英語を口から出すコミュニケーション能力は備わりますが、会話にはなりません。

コミュニュケーション能力を身につけるのが目的ですか?
それとも英会話ですか?

時間は有限です。
留学を考えている皆さんも、ぜひもう一度なぜ英語を話せるようになりたいのか自問自答してみてください。
おのずと時間の使い方が変わってくると思いますよ。

読んでくれてありがとうございました!

この記事を書いた人

b.E.Camp

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